高津和彦インタビュー1――受講生満足度の高さは、なぜ?

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――受講後のアンケートでは、セミナーの満足度について「良い=22.6%」、「非常に良い=68.4%」となっていますが、 この「非常に良い」のポイントが高い理由は何でしょうか?

セミナーの後、受講生の方たちと話すと必ず出てくるのが「1日でこんなに変わると思わなかった」という声です。
その驚きが、「非常に満足」という回答になっているんだと思います。

「普通」と回答した人には、僕も気になるもんだから「あんまり良くなかった?」って聞いてみるんですけど、 たいていは「サイトを見たり、電話で話したりした時から、きっとこのくらいはやってくれるに違いないって思ってましたから!」って言われるんですよ。 期待どおりだから「普通」なんですね。

このカリキュラムに自信はあっても、来る方は毎回違うのでアンケートには必ず目を通しますし、 「来てよかった」と書いてあると、すごく嬉しいし、励みになっていますよ!



――1日だけのセミナーで、話し方を改善することは可能なんですか?

たった1日?と思うでしょ。むしろ、逆なんですよ!
何度も日数をかけて通えば、その時間・日数に正比例してよくなるってもんじゃない。
集中して1日ぶっ通しでやった方が、確実に成果が上がるんです。

うちの特長は、講師が受講生1人1人のウィークポイントを一発で見抜く目を持っていることと、 それを直す具体的な指示ができるってことなんですが、その弱点を自覚してもらうために最初に 自分自身が話しているビデオをご本人に見てもらうんです。みんな、これで結構ショックを受けるんですね。

でも、このショックが直すための原動力。高くジャンプするためには、ぐっとヒザを曲げなきゃいけないでしょ? それと同じようなもんです。
1度へこんだ方が、そのままの姿勢からジャンプするのに比べて、高いところへ到達できる。

だけど、もしセミナーを数回に分けて2時間×4回とかにしたら、初回はショックを受けてポイントを指摘したぐらいで 終わってしまう。具体的なトレーニングがほとんどできないんです。これじゃ全然ダメ。

次に来た時には、ビデオを見て湧いた「頑張らなくちゃ!」って気持ちが冷めてしまっているし、 そこからトレーニングを始めたとしても、3回目に来た時には、2回目で習ったことなんて忘れてる。
鉄は熱いうちに打て!って言うでしょ?

いろいろな受講スタイルをやってみてわかりましたが、 1日集中で尻上がりにテンションを高めていきながら、スキルアップするのが1番効率のいい方法ですね。



――ビデオ撮影やウィークポイントの指摘など、ちょっと怖そうですね。

うちは全然スパルタじゃないです(笑)
だって、楽しくなければ身につかないし、自信を失わせたら逆効果じゃないですか。

でも、自分自身でウィークポイントを知ることは、絶対に必要なこと。

「うまく話せない」っていう原因は、ほんとに人それぞれなんですよ。姿勢だったり、口の開け方だったり、舌や腹筋の使い方、 言葉のクセ、心理的な重圧など千差万別。複合的な原因の場合もありますが、最も影響の大きいところから直していくと劇的に変わりますね。

話し方の講義みたいなセミナーに参加したけど、自分の話し方は直りませんでしたって人が時々来られるんですけど、 僕に言わせれば、そりゃ当たり前です。
話し方の一般論を勉強したって、その人個人のウィークポイントは直りませんから。

ベストスピーカーでは、受講生1人1人のウィークポイントの指摘を必ずやっています。
って言うと、やっぱりちょっと怖いって思われそうなんですが(笑)、人前で欠点を指摘するようなイメージに思わないで下さいね。

あなたのここを、こうすれば話し方はよくなるんですよってことをご自身で知ってもらうんです。
どちらかと言えば「改善ポイントの発見」という感じでしょうか。
それがあるからこそ、短時間での改善が実現するし、そのポイントをわかっていれば受講後にも自分で気をつけることで 受講した時のレベルを保つことも、さらにスキルアップすることもできるんです。



――ウィークポイントの指摘って、具体的には、どういう風にするんですか?

実は、セミナー前に受講生の方と電話で話す機会があれば、その時の話し方で大体はわかります。
セミナーで実際にお会いした時、講師がそれを目と耳で確かめて、ご本人にも自分が話しているビデオを見ながらポイントを確認してもらいます。

例えば――ある職場で講師的な立場にある受講生の方が、電話でカウンセリングした時「自分では教える立場だからしっかりした歯切れのいい話し方を 目指しているのに、人からは『しゃべり方が子どもっぽい』と言われて悩んでいます」とおっしゃったんですよ。
女性だったんですが、確かにやや高めの可愛い声の方で。
ご本人は声のせいだと思っておられたんですが、もっとも大きな原因は別で――実は話しグセでした。

ほんのわずかですが、語尾の「す」が長い。「su」と発音している。
これが「そうなんですぅ〜」ぐらい長いと誰だってわかるんでしょうけれど、普通なら「なんとなく優しそうな話し方」で済む範囲ですから、 本人も周囲も声のせいだと思って気づかない。
でも、人にものを教える場面だと「〜です」と言う回数が非常に多い。
この「〜です」が「〜desu」だと、キリッと締まらないんですよ。

実際お会いしてみて話してみると、やっぱり「〜です」と言った時に口が「ウ」の形になってました。 で、撮影したビデオを一緒に見ながら、ご自分では気づいていないでしょうけど頼りない・子どもっぽい印象はここから来てるんですよ、と指摘しました。



――それだけで、そんなに話し方が変わるものなんですか!?

じゃあ、「今日は雨です」って言う言葉を、最後、口の形を「ウ」にするのと、しないのとで言ってみて下さい。



――ほんとだ。ぜんぜん印象が違いますね。

でしょ(笑)
英語で「thanks」って言うみたいに、語尾を「s」で止めると締まりのいい話し方になります。 他の社員の前に立って教えるような仕事では「〜です」って何回も言いますから、印象を大きく左右しますよ!

この受講生の方も、ご自分で気づいていなかった語尾を改善してガラリと印象が変わったことにすごくビックリしていました。
こういった、自分で気がついていないところ・・・つまり、話し方の印象を悪くしている原因を発見してあげることが、 プロ講師として最も大事な仕事のひとつなんです。
これをやらずに、いい話し方ってこういうのですよ、って言うだけじゃ 大きな変化は望めないし、限度もありますね。毎日テレビを見てたら、アナウンサーになれるってものじゃない。



――ということは、CDやDVDで話し方を勉強してもダメなんですか?

ゴルフでもカラオケでも、ビデオを見て学習するより、1日講習に行った方が確実に上達するでしょ?
話し方の学習って、コツだけ聞けばできるって思われがちですが、個人個人のポイントを修正しながら実践するものなんですよ。

話す、なんて物心ついた時からずっとやってて慣れてますから、案外、自分で自分の話し方をわかっていない。 人それぞれの直すべきポイントを第三者、それもプロが指摘して、さらに直し方・トレーニング方法を具体的に指示することが重要です。

自分で、そのポイントと直し方をわかった後での補助教材としてなら、CDやDVDもありでしょう。 直すべきところがわかっていれば、少しずつでも自分で注意してレベルアップしていけますから。

そういうポイントを自覚するための、ビデオ撮影なんですが、すごく嫌がる人もいます。 ビデオを見て「私ってこんな話し方なの!?」って落ち込む人もいます。でも、それをちゃんと見なきゃ直らない。自分自身でね。

いま例にあげた方もそうですが、最後、トレーニング後のビデオを見て「けっこう自分でカッコイイと思えた」 「これで自分を好きになったことが一番の収穫」って言う人も、たくさんいますよ。

先ほどの例では、最大の改善ポイントは語尾の話しグセだったんですが、発声と滑舌がウィークポイントになっている方が 非常に多い。受講生の8割ぐらいは、発声と滑舌に問題がありますね。 逆に言えば、発声と滑舌で、かなり改善できる人も非常に多いということなんですけど。


――発声や滑舌よりも話し方のコツを教えてもらった方が、うまくなる気がしますが・・・

それも、誤解の多いところですね。
発声・滑舌はいいから、早くうまくなるコツを教えてくれなんて人もいますよ。 ほんとは、発声・滑舌こそが、話し方を早く、うまくするコツなんですけど・・・。
そういう人が言うところのコツ――ちょっとした言い回しとか相づちの打ち方とかのハウツーですね――それなら本やインターネットで学習することも できるわけですから、せっかく来て習うんなら、ちゃんとした発声・滑舌を体で覚えて帰る方が絶対トクです!

でっかい声で話す機会もないし、あってもマイクがあるんだから、発声なんて必要ないと思われがちですが、 発声トレーニングは大きな声を出す目的ではなくて、相手によく聞こえる声――いわゆる、よくとおる声を出すためのものなんです。
ボイストレーニングの重要性については、本当に多くの人に理解してもらいたい。

ベストスピーカーのホームページにある受講生Before&Afterの動画で、Afterでは急にボリュームが上がったように 感じると思いますが、実際には全くボリューム調整はしていませんし、大きくなったというより聞き取りやすくなった ということがわかるはずです。音が立っている感じですね。

セミナー受講生のBefore&After動画はCDにして1人1人にお送りしていますが、送付前に僕も動画を見て、 「みんないい声になったなぁ〜」と嬉しくなります。
どんなに素晴らしい内容の話をしたって、相手に届かない声・聞き取れない発音じゃダメなんですから!

それに、発声・滑舌のトレーニングによって、姿勢・表情・動作もよくなるから、第一印象がグッと良くなるし、表現力も豊かになる。 何よりも、元気が出る・前向きな気持ちになるといったメンタル面でのプラス作用が、発声・滑舌トレーニングの1番の副産物かもしれませんね。








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