ワンポイント話し方教室/コミュニケーション
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2― 話し上手は聞き上手?
高津和彦の「ワンポイント話し方教室」へようこそ!
前回で、コミュニケーションとは声や身振りによる情報交換だ、と言いました。
ここでいう情報とは、自分のこと・相手のことを中心とした、ありとあらゆる話題と考えて下さい。
コミュニケーションとは、情報発信ではなく、情報交換です。
つまり、互いに双方向でなくてはコミュニケーションとは言えないのです。
例えば、テレビはたくさんの情報を発信してくれますが、テレビとコミュニケーションはできないでしょう。
「声や身振りで情報交換と言われても、何を話していいかわからないし、緊張してうまく話せない」という方も大勢います。
というより、もう誰でもいいからひっつかまえて話したいことが山ほどある!という人の方が少数派。
みんな、もっとコミュニケーションが上手になりたい!と思っているのです。 そんな人に、アドバイスとしてよく言われる言葉があります。
「話し上手は聞き上手」 みなさんも、一度や二度は聞いたことがあるでしょう。
問題は、これをどう解釈しているか、ということです。
もっとも多い解釈は「話すのが苦手な人は、話を聞く側になればいい。そうすれば相手がどんどん話ができて喜ばれるので、
結局は会話が上手ということだ」
要は、相づちや先を促す合いの手ができればコミュニケーションが上手、とする説。
果たして、そうでしょうか?
これで、コミュニケーションはうまくいっているのでしょうか?
シミュレーションをしてみましょう。
あなたはAさんのつもりで、下の会話文を読んで下さい。
A 「昨日、ディズニーランドに行ってきたの」
B 「へえー」
A 「それで、夜にパレードを見てね」
B 「うん、それで?」
A 「電飾がすごくきれいでさー」
B 「そう」
A 「幻想的な雰囲気がまさに夢の国って感じで」
B 「ふぅん」
A 「まぁ私は童心に戻ってはしゃいじゃったんだけど・・・もしかして、ディズニーあんまり興味ない?」
どうですか?
だんだん、会話が盛り下がってきますよね?
人によっては、イライラしたり、腹が立ってきたりするかもしれません。
この盛り下がりやイライラの原因は、あなたが「Bさん、聞く気あんの?おもしろくないの?」という印象を受けたから。
相づちや促しだけでは、Bさんの「聞く姿勢」=もっとあなたと話したいという気持ちは、残念ながら伝わってこないのです。
では、これならどうでしょうか?
A 「昨日、ディズニーランドに行ってきたの」
B 「へえーディズニーランド?いいなぁ〜。泊まりで?」
A 「そうそう。それで、夜にパレードを見てね」
B 「夜のパレードかぁ!僕は見たことないんだけど、きれいなんだろうなー」
A 「そうなのよ!電飾がすごくきれいでさー」
B 「あぁ〜わかるわかる!イルミネーションが動くと、尾をひいて見えるよね」
A 「幻想的な雰囲気がまさに夢の国って感じよ!イメージわかる?」
B 「なるほどー。それ、目に浮かぶなぁ。すてきだねぇ。」
A 「童心に戻って、すごくはしゃいじゃった!Bも、見に行けばいいのに〜」
B 「だな!Aの話聞くと、いっぺん見に行きたくなってきた」
さっきとは、ずいぶん感じが違うでしょう?
もうわかったと思いますが、本当の聞き上手とは、単に相づちが上手なだけではないのです。
相手の言葉を受けて、頭をフル回転させて自分の疑問・感想・知識などを加えて返してこそ、相手は
「自分の話をちゃんと聞いてくれている、うれしい、もっと話したい」と思うのです。
相手の話を聞く時にも、話すスキルは必要。
まさに、話し上手は聞き上手。
本当に話が上手い人は、相手の話を引き出すのもうまく、人を楽しませることができる――
これが、話し上手は聞き上手の真実です。
相づちの練習だけをしてもダメ。聞き上手にはなれません。
会話はキャッチボール、と言いますが、「うんうん、へえそう」だけでは、相手の球を受けて返していないのと同じこと。
これでは、コミュニケーションとは言えません。
聞き上手になるには、相手の心を開かせる・話を引き出すための「話すスキル」が必要です。
(声・言葉・表情・動作などに自信がなくても、これは数時間の話し方トレーニングで驚くほど表現豊かなものにすることができます。)
また、聞いたことに対して何か言わなくちゃ、と思っていると自然と話をしっかりと聞くことになります。
ただ話を聞くだけでも、相手とコミュニケーションがとれている、と思うのは過信です。
「はいはい」と相づちを打つだけなら、機械や九官鳥にもできるでしょう。
相手の話をちゃんと聞いて理解している、聞いてこう思っている、ということを表現し、相手に伝えて初めて
コミュニケーションの第1歩なのだということを、心に留めておいて下さい。
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